Wide Support for UN Talks on a Legal Ban-the-Bomb Tool - Japanese

核兵器の法的禁止協議に広範な支持

【ジュネーブIDN=ジュムシェッド・バルーア】

大量破壊兵器である核兵器を禁止する協議を2017年に開始する提案を多くの非核兵器国が押し通した。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)はこれを「ドラマチックな最終日」と呼んでいる。

核軍縮に関する公開作業部会(OEWG)は8月19日、2月以来開催されてきた一連の会期の第3ラウンドを終了した。核兵器を禁止し、最終的にはその廃絶につながるような法的措置に関する交渉を開始することを10月に開かれる国連総会に勧告する報告書を賛成多数で採択した。

公開作業部会は、2月22~26日、5月2~4日、9~13日、8月5・16・17・19日の間に合計30回の実質的な会合を持ってきた。また、一部、非公式会合も開かれた。

この勧告は、国連総会に提出される公開作業部会による告書の一部分である。報告書には、核兵器使用のリスクの削減と除去のための措置を採ること、核兵器に関する透明性を高めること、あらゆる核兵器の使用が人間に及ぼす影響に関する意識を喚起することについても、国連加盟国に勧告している。

この報告書案の採択に際しては、62カ国が賛成(すべて非核兵器国)、27カ国が反対(大部分が北大西洋条約機構加盟諸国、韓国)、8カ国が棄権(スウェーデン、スイス、日本など)した。

公開作業部会の設置を主導したメキシコの大使は、この報告書の採択について「この20年で核軍縮に対する最も重要な貢献です。」と語った。

UNFORD ZERO」、核不拡散・軍縮議員連盟、ICANは、報告書の採択を受けた共同声明で公開作業部会の作業を称賛し、2017年に「核兵器の禁止のための法的拘束力のある文書」の交渉会議を始めるとの勧告に支持を表明した。

核兵器禁止条約への大多数の支持は、アフリカ諸国(54カ国)、ラテンアメリカ・カリブ海諸国(33カ国)、(一定数の)東南アジア、太平洋諸国の共同声明、さらには、一部の欧州諸国からの声明によっても裏付けられている。

しかし、公開作業部会の会期中、核兵器は国家安全保障に不可欠だと主張しつづける少数の国々からの抵抗が続いた。

「こうした国々は、核兵器禁止条約に向けた交渉会議を始めるとの勧告を含んだ報告書案を阻止すると脅していましたが、結局、公開作業部会が成功裏に報告書を採択することを阻止する影響力はなかったことになります。」とICANはコメントした。

長い審議の後、参加各国は、核兵器禁止条約に関する双方の見解を盛り込んだ妥協的な報告書に合意するかに見えた。しかし、非公式の会合において合意がなされるかと見えた後、オーストラリアが土壇場で立場を変え、報告書案に反対し採決を呼びかける旨の意向表明を行った。

オーストラリアやその他の核兵器の抑止力に依存している国々からの反対にも関わらず、大多数の参加各国は意志を貫いた、とICANは報じた。これを基礎にして、公開作業部会は、核兵器の禁止のための法的拘束力のある文書の交渉会議を始めるよう勧告することができたのである。

「このブレイクスルーは、核兵器に関する新たな世界的議論の結果だ。3回の会議は、諸政府や学者、市民社会を巻き込み、核兵器が人間に及ぼす壊滅的な影響や、事故であれ意図的なものであれ核使用にはリスクが伴うことについて、新たな証拠を明らかにしてきた。『人道イニシアチブ』によって生まれた機運はついに、国際社会を核兵器禁止を交渉する寸前のところにまでたどり着かせたのである。」とICANは声明で述べた。

核兵器は、その非人道性、無差別性にも関わらず、国際法で依然として禁じられていない唯一の大量破壊兵器である。

禁止によって、諸国による核兵器の使用や保有が違法化されるだけではなく、その完全廃絶への道も切り拓かれる。廃絶という目標にコミットしている国々は、来年にも交渉を始める用意があるとの意思を示した。

問題は、10月に開かれる国連総会第一委員会が、交渉プロセス開始の任務を与えることによって、プロセスを前進させるかどうかである。

「ウィーン軍縮・不拡散センター」(VCDNP)の博士研究員あるジェニー・ニールセン氏は、「より広範な核政策の中にあって核軍縮と核抑止への支持が益々二極化している問題をどの程度おさめることができるかは、予断を許しません。」と、「欧州リーダーシップネットワーク」のブログに記している。

「ギャップを埋める取り組み、とりわけ、核兵器を禁止する法的措置を交渉する会議を2017年に招集するという(公開作業部会を通じて生み出されてきた)高まる機運を活かそうとの意欲があるかどうかは、疑わしい。」とニールセン氏は論じている。

ニールセン氏はまた、「各国やアナリストは、問題が指摘されている核兵器への依存を超えて、戦略的な安全性を維持し(さらには安全の保証を提供し、不確実性に備える)実行可能性のあるどのような選択肢が存在するかという時宜にかなった建設的な議論をすべき時にきています。とりわけ核抑止を基盤とした戦略的安定性について課題と選択肢の両方を与える新たなテクノロジーが出てきていることを考えると、このことが非常に重要な意味を持ちます。もし、核兵器の役割と価値に関する二極化する見方をこのまま放置するならば、核兵器使用のリスクを低減し、核兵器のない安全な世界を実現するための積極的な貢献はもたらされないだろう。」と語った。(08.19.2016) INPS Japan/ IDN-InDepthNews