UN Presses Forward on Global Ban on Nuke Tests - Japanese

国連、核実験の世界的禁止に向けて圧力

【ニューヨーク IDN =ジャヤ・ラマチャンドラン】

包括的核実験禁止条約( CTBT が署名開放されてから17年、国際連合は、この条約が「できるだけ早い時期に」発効するよう促す新しいイニシアチブを開始した。

183の CTBT 加盟国の外相や高官代表者らは、残り8か国(中国、朝鮮民主主義人民共和国、エジプト、インド、イラン、イスラエル、パキスタン、米国)に対して、 CTBT を署名・批准し、「世界から完全に核爆発実験をなくす」よう求めてきた。これら8か国による批准が、条約発効のために不可欠の要件となっている。

ニューヨークの国連本部で9月27日に開催された「 CTBT発効促進会議 」において全会一致で採択された「 最終宣言 」は、「核軍縮および核不拡散に向けた体系的かつ漸進的な取り組みのための重要な実践的ステップとして、 CTBT の早期発効を達成する重要性および緊急性」を確認している。

宣言はまた、北朝鮮による一連の核実験に対する国際社会の非難は、「条約が規範的強さを持っていることの証左であり、核爆発実験を認めない意思を強化することを示している。」と指摘するとともに、「すべての核爆発実験およびその他すべての核爆発の停止は、核兵器の開発および質的向上を抑制し、先進的な新型核兵器の開発を終わらせることによって、あらゆる側面において核軍縮および核不拡散の効果的措置となる。」と論じている。

宣言はさらに、「核実験の終結は、核兵器を世界的に廃絶するという目標、および、厳格かつ効果的な国際管理の下での一般的かつ完全な軍縮の実現における意味あるステップである。」と指摘するとともに、「ニューヨークにおける国連安保理核不拡散・核軍縮サミット(2009年9月24日。 決議1887 を採択)と、2010年核不拡散条約( NPT )運用検討会議 最終文書 の全会一致での採択が、とりわけ、 CTBT を発効させようとの継続的な強い国際的意思であることを示している。」と述べている。

国連の 潘基文事務総長 は、 開会のあいさつ で、「この非差別的な兵器の開発に強く反対し、より安全な世界を求める、世界のすべての人々を代表して、私はこのように呼びかけているのです。」と述べ、すべての未署名・未批准国に対して速やかに CTBT を署名・批准するよう求めた。

潘事務総長はまた、1919年の「兵器・弾薬貿易の管理に関する条約」や1925年の、「兵器・弾薬および戦争手段の国際貿易監視に関する条約」が最終的に発効しなかった前例に言及しながら、「歴史は、各国に批准させるためには、粘り強い働きかけが必要だということを教えてくれています」と語った。

「これらの後退の後、通常兵器の移転を管理するための新たな多国間条約である『 武器貿易条約 』を諸政府が採択するのに88年かかりました。国際社会は、 CTBT が発効しなかった場合、核実験を違法化する試みを再生させるためにそんなに長く待つ余裕はないでしょう。」「 朝鮮民主主義人民共和国 による度重なる核実験は、今こそ行動の時であるという警告として受け止めるべきでしょう。」と潘事務総長は強調した。

結束する力

包括的核実験禁止条約機構( CTBTO)準備委員会ラッシーナ・ゼルボ事務局長 は、9月26日に開催された「核軍縮に関する国連総会ハイレベル会合」は、「多国間の核軍縮・核不拡散体制に新しい命を吹き込む国際社会の決意を示すものでした。」と指摘したうえで、各国の代表に対して、「 CTBT には多国間システムを結束する力があります。今日、 CTBT 発効の見通しは、数年前よりもずっと明るいものになっています。この機会をつかみ、夢を実現するために必要な行動を決定するのは、皆さんがたにかかっているのです。」と語りかけた。

一般的に「第14条会議」と称され1999年以来隔年に開催されている「 CTBT 発効促進会議」は今回で8回目を数え、ハンガリーの マルトニ・ヤーノシュ外相 とインドネシアの マルティ・ナタレガワ外相 が共同議長を務めた。マルトニ外相は、開会のあいさつの中で、「批准していない残り8か国との対話に特に力を割くべきだ」と指摘するとともに、「我々は、 CTBT に加入することのみが安全保障と地位を高めるための唯一の手段であることを、これらの国々に納得させる努力を惜しまないだろう。」と語った。

ハンガリーは、 CTBT を批准した最初の国のひとつである。 ブルキナファソ 出身のゼルボ氏が昨年8月に就任するまで8年間にわたって ティボール・トート氏 (ハンガリー出身)が CTBTO の事務局長を務めていた。

ナタレガワ外相は、インドネシアが2012年2月6日に CTBT を批准したことに言及して、「インドネシアは昨年、残りの『附属書2』に掲げられている発行要件国(原子炉を有するなど、潜在的な核開発能力を有すると見られる44か国: IPSJ )の批准を促進するあらたな推進力を生むべく、 CTBT を批准しました。我々はまた、核軍縮と核不拡散に対する我が国の固い決意を示したかったのです。」と述べた。

またナタレガワ外相は、「核爆発実験のモラトリアムが続いていることは重要ですが、あくまで一時的な措置に過ぎません。核爆発実験の恒久的な停止を保証するものではないのです。」と付け加えた。

会議に参加した諸国は、 ギニアビサウ が今年の9月24日に、さらにイラクが9月26日にそれぞれ条約を批准したことを歓迎した。これによって、条約批准国の合計は161に増加した。

会議では、 CTBT の批准を促進する11の具体的措置に合意した。たとえば、二国間・地域的・多国間の勧誘活動への支持、市民社会との協力、条約の重要性に対する意識を喚起することによって署名・批准国数を増やすことを目的としたその他の活動の奨励などが挙げられる。

賢人グループ

「最終宣言」はまた、条約の目的を推進し条約発効を促進するために9月26日に立ち上げられた「 賢人グループ 」を歓迎した。

ゼルボ CTBTO 事務局長は、「『賢人グループ』は条約の発効プロセスに新しいエネルギーとダイナミズムをもたらすことになるだろう。」「このグループを見てみれば、メンバーらの経験と専門知識の豊かさに勇気づけられます。彼らの信頼性、権威、経験を通じて、条約の発効に新しい道を切り開いてくれるものと期待しています。」と述べた。

各国政府代表による演説では、最近では2月12日に発表された北朝鮮の核実験への対応など、既に多くのケースで有用性が証明されている CTBT の検証体制を評価する発言が目立った。

CTBT は、いかなる場所でも、誰であっても、核爆発を実施することをすべて禁じている。 CTBTO は「 国際監視制度 」( IMS )を構築し、検知されずに核爆発が行われることがないようにしている。このネットワークの85%以上がすでに稼働中だ。 CTBTO の監視データには検証活動と関係ない利用形態もあり、地震監視、津波警戒、原子力事故による放射能追跡といった災害軽減策においても使うことができる。 (30.09.2013)

IPS Japan/IDN-InDepthNews