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World’s Major Powers, in ‘Shameful Behaviour’, Opt out of Nuclear Resolution - Japanese

世界の大国、核決議に「恥ずべき」棄権

【国連IDN=ロドニー・レイノルズ】

世界の主要な核兵器国は核軍縮への支持を表明してはいるが、その政治的レトリックに見合う行動はたいていはなされない。それどころかこうした国々は、核戦力の近代化すら続けている。これにひるまず、軍縮及び国際安全保障に関する国連委員会(国連第一委員会としても知られる)は従来、主に軍備管理と核軍縮に関する毎年15本から20本の決議案を採択してきた。

今年は重大な例外があった。世界の主要な核大国のうちの3か国である米国、英国、フランスが、日本が毎年主導してきた、核兵器の完全廃絶に向けた共同行動に関する決議を棄権したのである。3か国は、昨年は同決議に賛成しており、米国と英国に至っては共同提出国でもあった。しかし今年、両国はその道を選ばず、主要な西側の同盟国である日本を大いに失望させた。

国連で飛び交っている憶測は、今年の決議が、70年前の広島・長崎への原爆投下の生存者を意味する「ヒバクシャ」という言葉を決議に含めることで、核兵器が及ぼす人道的帰結の問題に焦点を当てたため、棄権を招いてしまったのではないか、ということだ。

決議案は11月2日、賛成156、反対3、棄権17で採択された。

3票の反対は、他の主要核兵器であるロシアと中国、それに北朝鮮によるものである。

物理学者で、プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン公共国際問題学部「核未来研究所科学・安全保障プログラム」の講師でもあるM・V・ラマナ博士は、IDNの取材に対して、「核兵器使用の人道的な帰結について言及しているからといって、核兵器廃絶を呼び掛けた決議に賛成すらできないというのならば、これは核兵器国の恥ずべき行為だと言わざるをえません。」と指摘したうえで、「核爆発がもたらす恐るべき影響についてはよく知られています。核兵器国がこの現実に向き合おうとしないとすれば、それは、核兵器に関して彼らが抽象的にしか考えて来なかったということであり、核兵器に関するいかなる議論も受け付けたくないということなのでしょう。」と語った。

さらに、ラマナ博士は「軍事計画立案者と外交官は、自分たちが取り扱っているのは大量殺人の道具なのだということを、市民社会と活動家によって常に思い出させてもらわねばなりません。」と付け加えた。ラマナ博士には、著書『約束された力:インドの核エネルギーを検証する』があり、『原子科学者紀要』科学・安全保障理事会、「核分裂性物質に関する国際パネル」の元メンバーでもある。

また、米国の棄権は、バラク・オバマ大統領が2009年にプラハで行った歴史的な演説の中で「核兵器なき世界」を呼び掛けているだけに、意外な展開であった。

長崎で開催された、第61回パグウォッシュ会議世界大会で発言したレベッカ・ジョンソン博士(核問題分析家、核兵器廃絶国際キャンペーン[ICAN]運営委員)は、「日本は板挟み状態になった。」と指摘したうえで、「必要なのは核軍縮に関してどんな立ち位置を採りそれを追求するかを決めることでしたが、今回の結果は、核保有国と非保有国の橋渡しをしようとしてきた日本政府の試みが行き詰まったことを示しています。」と語った。

 20世紀に取り残された巨岩

またジョンソン博士は、「核戦力を維持しその近代化を図ることに依存しつづける米国は、言わば20世紀に取り残された巨岩です。従って、日本は、(核兵絶に対する)自らの立場を空虚なレトリックでうやむやにしない限り、米国政府を満足させられないのです。」と語った。

「この状況では、安倍政権は、核兵器の禁止と廃絶を訴えて困難な立場にある被爆者と日本国民を支持すべきです。」と、ジョンソン氏は語った。

原爆が広島・長崎を破壊してから70年、日本の人々は、日本政府が、核軍縮と核近代化との間の違いを埋めようとしていると主張する一方で、その実は、感傷的な決まり文句ばかりを口にし、核の同盟上必要として日本の名において米国が核兵器を使用することに依存し続けている状況に飽き飽きしています。」

ジョンソン博士はまた、「(核兵器の使用がもたらす)人道的な帰結に関する懸念を高める決議案を支持することで日本は賞賛されるだろうと。」と語った。

オープン参加国作業グループを来年設置することを求めたメキシコ主導の決議案が第一委員会で圧倒的多数で採択された今、日本は、「効果的な法的措置の問題に実質的に対処する」ことを建設的に行うべきだ。

「被爆者と日本の人々は、核兵器を維持しようとする(国連安保理の)P5に迎合することをやめ、核兵器の使用・配備・保有を禁止しその完全廃絶を義務づける法的拘束力のある条約に向けて努力することを自国の政府に期待しています。」と、ジョンソン博士は語った。

ニュージーランド全国軍縮諮問委員会の元議長で、化学兵器・核兵器や米外交政策に関する著作もあるボブ・リグ氏は、「日本は米国が第二次世界大戦末期に2回にわたって行った壊滅的な原爆攻撃の被害国ですが、その後日本の歴代保守政権は、皮肉にも、この問題をあえて矮小化することで、米国の『核の傘』の下で戦略的な利益を得ようとしてきたのです。」と語った。

「米国政府は、これへの見返りとして、きわめて一般的な表現で核軍縮への賛同求める日本主導の穏健な決議案を支持してきたのです。」

「たとえあやふやなものであったとしても、核軍縮に向けた実際的措置を履行すると受け取られかねないことに対して、米英仏は頑強に反対してきました。こうしたことに国際社会は忍耐を失いつつあるのです、それへの不安感が、今回の3か国による日本決議案への棄権という形で現れたのでしょう。」と、リグ氏は語った。

「ロシアと中国はよく、米国が軍縮を支持しないといって激しく批判します、今回両国は表立って日本決議案に反対票を投じました。」

「すべての核保有国は核爆弾を持ち、頑強にこれに固執しています。非保有国は、保有国に対して、軍縮を納得させることも強要することもできないのです。」と化学兵器禁止条約機関(OPCW、本部ハーグ)の元主席職員のリグ氏は語った。

「2009年4月のオバマ大統領によるプラハ演説は国際メディアが過剰に評価したものであり、米国の軍部や産業界はこれを黙殺したのです。」とリグ氏は語った。

「その同じオバマ大統領は、穴の開いた風船のように萎んでしまい、今や米国の核戦力を強化してその打撃能力を向上させるための予算を積み増しています。」

「2016年の米大統領選に向けて、核軍縮への措置はおろか、軍事予算の削減をあえて主張する候補者は誰もいません。」とリグ氏は指摘した。

ジュネーブ軍縮会議国連総会第一委員会(軍縮・安全保障)は、墓場と化してしました。大言壮語で怒りを示してはいるが、その実、何の意味も持たない決議が、繰り返し、過剰に提出され、その山の下に、自国政府によって代表されていない日本の人々や、戦争に飽き飽きした世界の人々の願いが埋もれてしまっているのです。」とリグ氏は語った。(11.08.2015)IPS Japan/ IDN InDepth News