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EU Gives Additional Funds to Promote Entry into Force of Nuclear Test Ban Treaty - Japanese

核実験禁止条約早期発効へ、欧州連合が資金追加

 【ベルリンIDN=ジャヤ・ラマチャンドラン、2015年10月19日】

核実験禁止条約の早期発効を視野に入れて、欧州連合(EU)が、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)準備委員会への追加支援300万ユーロ(390万ドル)を決めた。これで、EUによる自発的な財政支援は、2006年以来、約1900万ユーロ(2150万ドル)となった。

EUの全28加盟国はグループとして、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名・批准している。EU加盟国によるCTBTO予算への定期的な拠出金は全体の約4割を占める。

CTBTは、国際的な核不拡散体制とEUによる核軍縮への取組みの基礎にあって、中心的な役割を果たしている。「従ってEUは、CTBTの早期発効と普遍化に熱心に取り組んでいきます。」と、EUのウィーン国際機関代表部が19日の報道発表で述べている。こうした貢献は、「大量破壊兵器拡散に対抗するEU戦略」の線に沿ったものだと発表では述べられている。

「2015年10月12日の欧州評議会決定の全般的な目標は、『EU戦略』の主要目標のうちの2つにあたる『CTBTの普遍化』と『CTBT早期発効をさらに促進すること』にあるが、『CTBTO検証システムの運用と持続可能性、さらには、その運用能力の向上に資することにもある。』」と報道発表は述べている。

「条約の意義と、継続的に向上しているその検証体制の実績を明確に示す例は、近年北朝鮮が実施した核実験の探知と、この点に関するCTBTOの迅速な行動に表れている。」と報道発表は指摘した。

「さらに、CTBTOは、ひとたび条約が発効すれば条約の遵守を効果的に監視し、その遵守を確実にする独立かつ信頼性ある手段を国際社会に提供する能力を繰り返し示してきた。」

このEUの決定を受けて、CTBTO事務局長のラッシーナ・ゼルボ博士は、「欧州連合の支援がなければ、CTBT検証体制の運用能力を強化する点で、CTBTOが今のような前進的な地位に到達することはできなかったでしょう。」と語った。

これには、EUが途上国においてCTBT検証技術のキャパシティビルディングを支援し、世界最大かつ最も洗練された多国間検証システムへのこれらの国々の加入を促進したことも含まれている。米国のジョン・ケリー国務長官は、この検証システムについて、現代の世界における最大の成功のひとつだと述べている。

「CTBTの署名開放から20年を迎えようという中、EUの強力な政治的・財政的支援は、条約の発効達成に向けた継続的な進展を得る上で、きわめて重要です。」とゼルボ事務局長は語った。

これまでのEUの自発的な貢献を基礎になされた新たなEU評議会の決定は、CTBT検証体制に以下の3つの主要領域で支援を与えるものだと、CTBTOが10月19日にウェブサイトに掲載した記事で説明している。

1.国際監視制度ネットワークの維持

EU財政の最初の部分は、国際監視制度(IMS)と呼ばれるCTBTOの監視局ネットワークの構築を支援するためのもので、例えば、支援を必要とする補助的な地震学的監視施設を置いている国々への支援が含まれる(他の種類のCTBTO監視局とは異なり地震学的監視施設については、維持費負担の責任はホスト国にある)。

また別のプロジェクトは、IMSによる、核爆発に伴う放射線希ガスのみならず、医療用の放射性同位体生産のような正当な民生活動によって放出される希ガスの探知能力を向上させることを目的としている。これによって、世界的な希ガスのバックグラウンド・レベルの研究と、放出源における排出希ガスの捕捉システムの構築への財政的支援がなされる。

この項目の下での他のプロジェクトには、例えば、外部研究者がIMSのデータや国際データセンターの成果物へのアクセスを可能にするポータルである「VDeCシステム」のアップグレードや、波形データ(地震波、微気圧振動、水中音響)分析のための国際データセンター(於:ウィーンのCTBTO技術事務局)向けソフトウェアの強化などが含まれる。

2.現地査察能力の強化

CTBTOの現地査察能力を強化するために、EUの支援によって、2014年にヨルダンで行われた統合野外演習IFE14」で使われたような、航空機から使用できるマルチスペクトル画像撮影機器の購入が可能となる。また、さまざまな現地査察技術を支えるために、同じく航空機から利用可能なレーザー距離測定システムの購入にもあてられる。

3.アウトリーチと各国レベルのキャパシティビルディング

また、CTBTOが途上国におけるキャパシティビルディングプログラムを継続することも可能になる。これは、これまで全てのEUによる自発的貢献の不可欠の部分であった。

これによって途上国は、各国の国内データセンター(NDC)を設立・維持することが可能になる。国内データセンターは、CTBTの各締約国によって維持されるもので、IMSから得られる観測データを国際データセンターから受信したり、当該政府の関心事項に関して助言を与えたりするものである。キャパシティビルディングの取組みは、各締結国の国内データセンター用解析ソフト(NDC in a box)の提供・運用支援と、地域的には、中東、南アジア、東南アジア、太平洋、極東地域に焦点を当てたものになるだろう。(10.19.2015) IPS Japan/ IDN InDepth News