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Call for Global Ban on Nuclear Weapons Testing- Japanese

あらゆる核実験の全面禁止を訴える

【広島IPS=浅霧勝浩、ラメシュ・ジャウラ】

国際社会が、来年の包括的核実験禁止条約(CTBT)署名開放20周年に向けて取り組みを強めるなか、CTBTの早期発効を実現するため2年前に発足した「賢人グループ」(GEM: Group of Eminent Persons)が初めて日本で有識者会合を開催し、同条約発効のために批准が必要な8か国に対して緊急に批准することを強く求めるなどとした「広島宣言」を発表した。

8月25日・26日の2日間に亘って「賢人グループ会合」の開催地となった広島市は、日本の本州に位置する近代都市であるが、第二次世界大戦末期には長崎市と並んで投下された原子爆弾により街の大半が壊滅し、無辜の老若男女が非人道的な被害を被った世界で唯一の被爆都市である。そして、その凄惨な被爆の実態については(核攻撃を生き延びた)被爆者の方々によって今日まで語り継がれている。

「被爆地ヒロシマほど、CTBTの発効を実現する緊急性が明白であり、『賢人グループ』ほど、この目標の実現につながる経験と専門知識を備えた人々はいません。」と、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)ラッシーナ・ゼルボ事務局長は、会合の参加者に語り掛けた。

ゼルボ事務局長のイニシアティブにより2013年9月にニューヨークの国連本部で発足した「賢人グループ」は、各国の元政府高官や国際的に認められた核軍縮・不拡散の専門家ら21人で構成され、あらゆる核実験の全面禁止を目指し、CTBTの発効を促進する取り組みを支持・補完するとともに、この目標が達成されるよう国際社会における取り組みを再活性化することを目的としている。

原爆投下から70周年となる「賢人グループ会合(第4回広島会合)」は、日本政府と広島市の後援を得て実現したが、ゼルボ事務局長は会合に先立つ8月6日、広島の平和記念式典に出席するため来日していた。

ゼルボ事務局長はまた、「賢人グループ会合」開催前日の8月23日にも、ペリー元国防長官、湯崎英彦広島県知事と核軍縮をテーマとしたパネルディスカッションに参加し、多くの学生をはじめ会場を埋めた約100人の聴衆との意見交換にも臨んだ。

ゼルボ事務局長は、開会の挨拶で、世界の指導者に対して、イランと主要国(E3+3:中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国、米国)間の最近の核合意によって生まれた機運を生かし、核不拡散と核軍縮を巡る協議においてもCTBT発効に向けて希望を持ち積極性に取り組むよう強く訴えた。

イラン核合意が私たちに示唆しているのは、軍備管理と国際安全保障に関して「多国間外交は可能だというだけではなく、21世紀の複雑で重層的な難題に対処していくうえで最も効果的な方法ということです。またいかなる安全保障合意や軍縮協定についても、その価値を判断する基準は検証体制に対する信頼度にあります。イラン核合意の場合と同じく、CTBTの有用性もその検証と実施体制に対する信頼度にかかっています。この点については条約発効前の現段階でも検証体制に十分な信頼が確保されています。」とゼルボ氏は語った。

同じく開会の挨拶に登壇したペリー氏は、CTBTへの批准は安全保障政策として、国際レベルのみならず、国内レベルにおいても米国の国益にかなうものだという信念を表明した。ペリー氏はまた、現在の政治情勢はCTBT発効の見通しに暗い影を落としているという認識を示すとともに、同条約が発効するまでの間、核爆発を伴う実験をしない「モラトリアム」を維持していくことの重要性について改めて表明した。

今回の賢人会議にはメンバーからは、阿部信泰氏元軍縮問題担当国連事務次長(日本)、デス・ブラウン元国防大臣(英国)、ジャヤンタ・ダナパラ元軍縮問題担当国連事務次長(スリランカ)、セルジオ・ドゥアルテ元国連軍縮担当上級代表(ブラジル)、ミシェル・デュクロ元外務省軍縮局長(フランス)、ウォルフガング・ホフマンCTBTO準備委員会事務局元事務局長(ドイツ)、リー・ホジン国連協会副会長(韓国)、ウィリアム・ペリー元国防長官(米国)ら10人が参加した。

さらに、イシュトヴァーン・ミコラ国務大臣(ハンガリー)、ユスロン・イーザ・マヘンドラ駐日大使(インドネシア)、北野充外務省軍縮不拡散・科学部長(日本)、イェルザン・アシクバエフ外務次官(カザフスタン)が、職権上の会員として参加した。

「賢人グループ会合」は、第一回ニューヨーク会合(2013年9月)、第二回ストックホルム会合(2014年4月)及び第3回ソウル会合(2015年6月)において合意された行動計画の進捗状況を確認するとともに、来るCTBT署名開放20周年を念頭に現下の国際的な環境を検討した。そして、核兵器の完全な廃絶を目標として、核兵器の拡散及び更なる開発の防止を支援するために国際社会を結束させる緊急性があることで一致した。

参加者はまた、日本とカザフスタンが共同議長国を務める予定の第9回CTBT発効促進会議(9月末にニューヨークで開催)に向けて、関連する諸問題について協議するとともに、CTBTの発効を促進するためにとりえる実践的な方策について議論した。

CTBTには、これまでに183か国が署名を終え、そのうち核保有国であるフランス、ロシア、英国を含む163か国が批准も済ませている。しかしCTBTが発効するには、核技術を有する(条約の附属書2に掲げられている、ジュネーヴ軍縮会議の構成国であって、IAEA「世界の動力用原子炉」の表に掲げられている)44か国すべてが署名並びに批准を終えなければならないこととなっている。そのうち、中国・エジプト・イラン・イスラエル・米国の5か国は署名しているが未批准、インド・パキスタン・北朝鮮の3か国は署名すらしていない。

「賢人グループ」は、広島宣言を採択し、グローバルな核兵器の廃絶を達成すること、とりわけ、「核軍縮・不拡散のために最も不可欠かつ実践的な手段の1つである」CTBTの発効に対する彼らのコミットメントを再確認した。さらに、それぞれの批准プロセスを円滑化することを目的に,附属書2の残る8カ国の指導者に働きかける多国間アプローチを要請した。

「賢人グループ」はまた、「政治指導者,各国政府,市民社会及び国際的な科学者団体に対して,核軍縮・不拡散の観点及び核兵器の使用が人類に及ぼす壊滅的な影響を防止する観点から、 CTBTが必要不可欠な役割を有していることについて,認識を高めることを呼びかけた。」(08.27.2015) IPS Japan