France Sees Nuclear Arms As Deterrent - Japanese

核兵器を抑止力とみなすフランス

【パリIDN=A.D.マッケンジー】

各国の指導者が4月27日から5月22日にかけてニューヨークの国連本部で開催される核不拡散条約(NPT)運用検討会議に向けて準備を進める中、フランスの活動家らは、発効から45年となる同条約の履行に本気で取り組むような公約がなされるとはあまり期待していないと語る。

フランスは世界第3位の核兵器保有国であるが、フランソワ・オランド社会党政権は、「核備蓄量を増やさない」「核実験は停止しなければならない」という政策を公式に掲げる一方で、核兵器の廃絶には賛成していない。

実のところ、オランド大統領の見解は前任のニコラ・サルコジ氏のものとは少し異なっている。サルコジ前大統領は、核軍縮は、相手方が兵器を削減すれば自らも兵器の削減に応じるとする「相互主義」に基づいて行われるべきと主張していた。

フランスは核戦力を海軍と空軍に配備しており、2013年にオランド政権が承認した『国防と国家安全保障に関する白書』によると、フランス政府は核戦力を「重要な国益」を守るための手段と位置付けている。

2015年2月、オランド大統領は同国南部のイストル空軍基地で行った演説においても改めて政府方針に言及し、「今日の『危険な世界』においては、核兵器の保有は敵に対する抑止力となります。」と語った。

「当面の国際情勢を前に、我が国は警戒を緩めて自国の防衛力を弱めてはなりません。」「今後、我が国が直接あるいは間接的に関与しうる国家間紛争が勃発する可能性は誰も否定できないのです。」とオランド大統領は宣言した。

しかし核軍縮を支持する活動家らはこうした政府の姿勢について、「政府はNPTで定められた(軍縮)義務を履行していない。」と反発を強めている。また活動家らは、フランス政府が2010年NPT運用検討会議において採択された軍縮を進めるための64項目からなる行動計画についても、実行を遅らせているとして批判している。

「核保有量の削減はまったく行わせていません。私たちに必要なのは、核不拡散の禁止よりも、むしろ核兵器そのものを禁止する条約です。」と、フランスの軍事活動を監視している地元の平和団体「Observatoire des Armements」のパトリス・ブベレ会長は語った。

「5年前(NPT運用検討会議)の約束で具体的に履行されたものは何一つありません。今日の状況は(核軍縮について)曖昧にされてきたこれまでの状況と変わらない訳ですから、各国は新たな条約の制定に向けて舵を切るときにきています。」とブベレ会長はIDNの取材に対して語った。

Observatoire des Armementsは、フランスの主要反核連合「脱核時代ネットワーク(Sortir du Nucléaire network)」(932団体、60,500人が加盟)のメンバーである。

「一般市民の非暴力非服従運動」を標榜する同反核連合は、例えば、3月26日より、米国との協定に基づいて米軍の核兵器を貯蔵しているドイツ国内で最後の軍施設であるブエッヘル軍事基地の周辺で、「核兵器の備蓄に反対する」抗議活動に参加している。抗議活動は、NPT運用検討会議が終わるまで続けられる予定である。

活動家らは、公式核兵器5大国(フランス、英国、中国、米国、ロシア)に対して、北朝鮮、イスラエル、パキスタン、インド、そして(恐らく)イランといった「新核兵器国」を抑えるとともに、NPTの規定に従って自らの核軍縮をより積極的に推進するよう呼び掛けている。

一方フランス政府は、2008年までに同国が航空機搭載の核兵器を3分の1削減し、核兵器の総数を300発以下にしたとしている。さらにオランド大統領は2月の演説において、フランスが潜水艦搭載核弾道ミサイル16発を3セットと中距離空対地核ミサイル54発を保有していると語り、初めて保有核戦力の数値を公表した。

フランス政府はまた、同国は公式核兵器5大国の中で唯一、自国の核実験施設と核分裂性物質製造施設を廃棄した国であり、政府は兵器用核分裂性物質の「完全」生産中止を実現するために、引き続き取り組んでいくとしている。

しかしフランスをはじめ他の核保有国や一部の同盟国が核抑止議論に固執しているため、核爆発が起こる危険性は依然として高いままである。そこで活動家らは、4月27日から5月22日まで開催されるNPT運用検討会議における議論がどうなるか、注意深く見守ろうとしている。

「我が国では依然として軍縮に関する議論は複雑です。」と、エルヴェ・モラン元国防相など10人のフランス国会議員らが、昨年12月にウィーンで開催された「核兵器の人道的影響に関する国際会議(約1000人が参加)」に宛てたメッセージの中で述べている。

さらに国会議員らは、「あまりにも多くの民間の有力者や軍高官らが、核軍縮は国家に対する背信行為であり、フランスの安全保障に対する脅威であると考えているため、核軍縮議論は、ますます複雑な様相を呈しています。」「しかしこれは誤った認識です。なぜなら、フランスは外交上、条約の内容と核なき世界を実現するという目的に完全に合致した政策を選択しなければならないからです。」と指摘したうえで、「核兵器を削減し廃絶するには、フランス国家およびその政府は核軍縮プロセスがもたらす『利益を理解する』必要がある。」と述べている。

「今日私たちの同僚の中で世界に現存する16,300発もの核兵器がもたらす危険性を理解しているものはあまりにも少ない。」と、核軍縮・核不拡散議員連盟(PNND)フランス支部コーディネーターのジャンマリー・コリン氏は語った。PNNDは、核政策に関する最新情報を提供している。

たとえフランスが自国の核戦力の保持を望んでいたとしても、核保有国を「より不安定な国々」へと拡げたくないと考えているのは明らかである。オランド大統領は2月に行った演説の中で、いくつかの国々の間で核兵器の取得を目指した「競争」が起きていることを厳しく非難した。(3.23.2015) IPS Japan