Growing Support For Moving Away From Nuclear Weapons - Japanese

脱核兵器への支持、高まる

【ジュネーブIDN=ジャムシェッド・バルーア】

4月27日から5月22日までニューヨークで開催される予定の2015年核不拡散条約(NPT)運用検討会議を前にして、ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)が核軍縮の将来に向けて明確なビジョンを表明した。

CELAC(加盟33か国)はサンホセで1月28日から29日に開催された第3回年次総会で、ウィーンで昨年12月に開催された第3回「核兵器の非人道性に関する国際会議」閉会にあたって表明された「オーストリアの誓約」に対する賛同を公式に表明した。

オーストリアのミヒャエル・リンハルト外務事務次官が 昨年12月9日に発表した「オーストリアの誓約」は、オスロ(ノルウェー、2013年3月4~5日)とナヤリット(メキシコ、2014年2月13~14 日)で開催された過去の「核兵器の非人道性に関する国際会議」に加え、ウィーン会議で得られた事実と知見は、さらなる外交努力が必要であることを示してい る、と述べている。

「オーストリアの誓約」は、核兵器を規制する国際法の枠組みには「法的ギャップ」が存在すると述べ、核兵器を悪だと捉え、禁止し、その廃絶につながるような措置を追求することによって、この法的ギャップを埋める努力に加わることを全ての国家に求めた。

リンハルト次官はまた、「オーストリアの誓約」を発表する中で、「核兵器の作戦 上の地位の低下、配備された核兵器の貯蔵状態への移行、軍事ドクトリンにおける核兵器の役割の低減、全ての種類の核兵器の急速な削減など、核兵器爆発のリ スクを減らすような具体的で中間的な措置」を取るように「核兵器保有国」に求めた。

CELACの首脳らは、サンホセ(コスタリカ)で1月28日から29日に開催された第3回年次総会で宣言を出し、ウィーン会議の成果を完全に支持した。そうすることでCELACは、核兵器禁止条約がその法的ギャップを埋めるうえで最適のオプションであることを表明した最初の地域国家グループとなった。

「被爆者の証言や、証拠、科学的データによって示されたように、核兵器は、安全 保障や人間の発展、文明一般にとって重大な脅威となる。私たちの宣言と一致するように、この目的において、私たちは、核兵器禁止のための国際的に法的拘束 力のある手段に向けた外交交渉プロセスを開始すべきとの、ウィーンとナヤリットでなされた呼びかけに対して強力な支持を繰り返し表明する。」

核戦争防止国際医師会議」 (IPPNW)コスタリカ支部のカルロス・ウマーニャ氏はこのサンホセ宣言について、「ラテンアメリカ・カリブ海諸国は、このCELAC宣言によって、私 たちを『核兵器なき世界』により近づける取り組みの最前線に立ち続ける意図を持っていることを表明しました。この地域に非核兵器地帯を設置したトラテロルコ条約は、この地域で核兵器を禁止した初めての多国間条約であり、今やラテンアメリカ・カリブ海諸国は、国際的に核兵器を禁止する同様のプロセスを促進する努力をするとの意図を示したことになります。」と語った。

「プラウシェアズ財団」によれば、ロシア、米国、フランス、中国、イギリス(国連安保理の五常任理事国)とパキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮は合計で1万6300発の核兵器を保有している。「これらの中で、約4100発が作戦配備されていると考えられている。うち、米国とロシアの1800発が高度な警戒態勢、すなわち直前の通告で使用可能な状態にある。」と、米国科学者連盟は述べている。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)によれば、核兵器に関するこれまでの議論は一部の核保有国だけが仕切ってきたが、核兵器の非人道性をめぐる議論が始まって、非核保有国が、核兵器がもたらす現実の影響をめぐる議論をリードするという根本的変化が起きているという。

「オーストリアの誓約は、受け入れがたい法的ギャップを埋めるための行動を要求 するよう諸国に呼びかけたものです。核の非人道性議論によって生み出された推進力が、核兵器禁止のプロセス開始への道を切り開きつつあります。CELAC 諸国はこの呼びかけに呼応したものです。他の地域もこれに倣ってくれることを望みます」と語るのは、ICANのダニエル・ホグスタ氏である。

英国で高まる支持

 

英国においても核兵器禁止の支持が高まる兆候がある。ICAN英国支部と「核兵器と民間人保護に関する全党グループ」は1月21日、英国自身の核兵器のもたらす意味について国会議員に対する説明会を開いた。

この会合は、トライデント・ミサイルの更新に関する議会審議の翌日に行われた。スコットランド国民党、プライド・カムリ(ウェールズの地域政党)、緑の党が要求したこの審議で、多くの議員が、意図的および偶然的な爆発による核兵器の壊滅的なリスクについて指摘した。

労働党のケイティ・クラーク氏は、トライデントの放棄は核軍縮に向けた重要かつ象徴的ステップになるだけではなく、国際的にも非常に大きなインパクトになると指摘した。

別の労働党議員ポール・フリン氏は、ある国家が核兵器を保有し続ければ、他国が自らの核兵器を開発し維持する誘因を暗に与えることになり、軍縮の取り組みを阻害することになる、と指摘した。

他の発言者も、英国には、国連安保理の常任理事国として核軍縮を誠実に追求する 義務があり、その義務は核兵器を禁止することによって果たされるべきだと述べた。「核不拡散防止条約第6条の下における私たちの軍縮義務に見合うように、 核兵器を禁止する新たな法的枠組みへの支持を政府は今こそ表明すべきです。」と、スコットランド国民党のアンガス・ロバートソン議員は語った。

会合参加者の多くが、ウィーン会議を経て、ニューヨークの国連本部でのNPT運用検討会議を前にした今こそ、この課題を前面に押し出す時だと主張した。

1970年のNPTは、「核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果 的な措置につき、並びに、厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うこと」をすべての条約加 盟国に義務づけている。NPTは、核兵器を削減し究極的に廃絶する義務を核保有国に課した、世界で唯一の法的拘束力を持つ義務である。2000年のNPT 運用検討会議では、条約加盟国が、軍縮義務を果たすべく「13の実際的措置」に合意した。

実際的措置とは例えば、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効、CTBT発効までの間の核爆発実験モラトリアム、非差別的で多国間、効果的に検証可能な核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)を5年以内にジュネーブ軍縮会議で交渉することなどである。FMCTは、高濃縮ウランとプルトニウムという核兵器の2つの主要要素の生産を禁じるものである。(12.11.2014) IPS Japan/ IDN-InDepth News