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Marshall Islands Nuclear Proliferation Case Thrown Out of U.S. Court - Japanese

マーシャル諸島政府の核不拡散訴訟、米裁判所で門前払い

【国連IPS=ジョシュ・バトラー】

核軍縮交渉の開始を怠ったとしてマーシャル諸島政府が米国政府を訴えていた裁判で、米裁判所が訴えを退ける判断を下した。

マーシャル諸島政府は現在、1968年の核拡散防止条約(NPT)で義務づけられている核軍縮交渉を履行していないとして、インド、パキスタン、英国国際司法裁判所(ICJ)で訴えている。

しかし、米国はICJの管轄権を受諾していないため、カリフォルニア州の米連邦地方裁判所で米国政府を訴えることとなったものである。

核時代平和財団のデイビッド・クリーガー会長は、「米国は1946年から58年にかけてマーシャル諸島で67回の核実験を行ったが、これは、広島型原子爆弾1.6発を毎日、12年間にわたって爆発させた威力に相当します。」と語った。

マーシャル諸島の住民らには依然として健康被害が確認されているが、米連邦地裁のジェフリー・ホワイト判事は2月3日、NPTに違反して米国による被害がもたらされたというのは「憶測にすぎない」として、申し立てを棄却した。

ホワイト判事はマーシャル諸島政府には原告適格がないとする一方で、裁判所の判決は「政治的問題の原則」による制約を受けると述べた。すなわち、この問題は法的なものではなく政治的なものであるから、マーシャル諸島政府の訴えを判断できない、というのである。

マーシャル諸島政府による訴訟を支援している核時代平和財団のクリーガー氏は、この連邦地裁の判断について、「愚かな決定だ」と批判した。

「判事は誤った判断をしました。マーシャル諸島政府には原告適格があるとの十分な根拠がありますし、これは政治的な問題とみなされるべきではなかったと思います。」

「マーシャル諸島政府は、ある国に核爆弾が投下されるとどんなことになるか、よく分かっています。彼らは多大な被害を受けたのですから、決して『憶測』などではありません。」

マーシャル諸島政府によって提起された複数の訴訟の基礎には、米国をはじめとした核保有国が、核兵器の拡散を防ぐための交渉を誠実に行ってこなかったという事情がある。しかし、米国が核不拡散のための交渉を行わないことは有害だとの主張は「憶測にすぎない」というのがホワイト判事の判断だった。

クリーガー氏は、「マーシャル諸島政府は第9巡回区控訴裁判所に控訴する予定です。」と指摘したうえで、「今回の判決は、米国の国際協定遵守に関する悪しき先例となりました。」と語った。

さらにクリ―ガ―氏はその理由として次のように語った。「米国はICJの管轄権を受諾しておらず、今回の事案の場合、判事は他国には(米国の裁判所では)原告適格がないという判断を下しました。このことは突き詰めると、米国と条約を結ぼうとする国は、今一度再考した方がいい、ということになります。」

「今後他国の政府も、米国の裁判所による同じような判断に服することになるでしょう。すると、米国が条約に従って行動していないと考える(条約相手)国はどうなるのでしょうか?」

「法的根拠に関する判断を避けることで、米国が本質的に述べていることは、自分たちがしたいことをしたい時にこれからもやるということであり、(米国が)義務を順守するかどうかは世界の他の国々には関係ない、ということになります。」

クリーガー氏は、本事案が「憶測的な」性格を持っているとの判事の発言は、本質的に、「被害が起きる可能性が証明されるまでの間に核事故や核戦争は起きてしまうということを意味します。」と語った。

「今回の判決が述べているのは、被害が憶測のものでなくなる以前に、何らかの核使用事案が生じるまで国家は待っていなくてはならない、ということです。米国が核軍拡競争を終わらせるための交渉を誠実に行うとの義務を果たしていないと主張することは『憶測に過ぎない』と判事が述べたことは、ばかばかしいことです。」

マーシャル諸島政府は、当初、核不拡散の交渉を怠っているとして、9つの核保有国全て(米国、中国、ロシア、パキスタン、インド、英国、フランス北朝鮮イスラエル)をICJに提訴する意向だった。

マーシャル諸島政府は、パキスタン、インド、英国に対するICJ訴訟を継続しているが、「核政策法律家委員会」のジョン・バローズ事務局長は、ICJの強制的管轄権を受諾していない他の国々への訴訟は止まっていると語った。

「マーシャル諸島政府は、他の6か国に対して、管轄権を受け入れ自主的に出廷するよう招請し促しています。これは完全に正規の手続きですが、まだどの国も受け入れていません。」とバローズ氏はIPSの取材に対して語った。

ICJ訴訟における国際チームの一員でもあるバローズ氏は、「中国は出廷しないことを既に明確にしています。」と指摘したうえで、「(それでも)これらの国々は、管轄権の受諾にまだ同意することが可能です。」と語った。

インドとパキスタンに対する予備的な書面がすでに提出され、それに対する反論は今年半ばまでに行われることになっている。また対英国訴訟に関しては、3月に書面が出されることとなっている。

バローズ氏は、今回の米連邦地裁における判断がICJにおける審理に影響を及ぼすかどうかについて懐疑的だ。

 「今回の判決は何の影響も及ぼさないと思います。」とバローズ氏は語った。(2.12.2015) IPS Japan