Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status 
with ECOSOC.

 

UN Determined to Counter Cyber Crime and Ensure Peace and Security

 国連、サイバー犯罪撲滅と、平和と安全の確保を誓う

Photo credit: ITU

【ニューヨークIDN=J・ナストラニス】

デジタル技術の進化が人間の生活を革新しつづける中、国連が「将来世代の安全を危機に晒しかねない」悪意のある技術に「警戒し続ける」よう呼びかけている。現在、世界には46億人以上のインターネットユーザーがいる。

したがって、国連のミシェル・バチェレ人権高等弁務官が7月19日に次のように述べたことは驚くにあたらない。「さまざまな国でジャーナリストや人権活動家、政治家などを監視するためにスパイウェア『ペガサス』が広範に使用されていたことが明らかになったが、極めて懸念すべきことだ。人権を侵害する監視技術の濫用に対する最悪の懸念を確認した形だ。」

国連で軍縮を担当する中満泉事務次長は、平和と安全に関する国連安保理の最近の会合で「デジタル技術はますます、既存の法的・人道的・倫理的規範に制約を与え、不拡散、国際の安定、平和と安全に制約を与えるようになってきている」と述べたが、この発言のもつ重要性が際立ってきた。

中満氏はさらに、デジタル技術は、アクセスへの障壁を引下げ、国家や非国家主体に国境を越えた攻撃能力を与えることで、紛争の新たな領域を開きかねないと述べた。

2022年までに285億台のネットワークデバイスがインターネットに接続されると推測されているが、これは2017年の180億台よりも格段に増えていると中満氏は指摘する。

最近では、意図的に誤った情報を流したり、故意にネットワーク障害を引き起こす等、情報通信技術(ICT)を標的とした悪意のある事件が急増し、国家間の不信を増大させ、各国が依存する重要なインフラを危機に晒している。

中満氏は、新型コロナ感染症のパンデミック下で医療施設に対するサイバー攻撃が増えていることへのアントニオ・グテーレス国連事務総長の懸念を想起しつつ、こうした攻撃を予防し撲滅するよう、国際社会に一層の努力を訴えた。

「オンラインによる暴力的過激主義や人身取引きは、サイバー上のストーキング行為や親密なパートナーからの暴力、親密者の情報や画像を同意なしに拡散する行為といった他のICT関連の脅威と同様に、しばしば見過ごされがちな悪影響を、女性や男性、子どもに及ぼしている。」

デジタル領域の意思決定における男女の「平等で完全、かつ効果的な参加」が優先されるべきだと中満氏が述べるのはこのためだ。

 

サイバー犯罪との闘い

ICTの脅威が高まる中、それに対処するための取り組みも強化されている。10年以上にわたって、政府レベルの専門家グループが、国際安全保障に対するICTの既存および新規の危険性を研究し、それに対処する方法、例えば信頼醸成措置や能力開発、協力措置などを勧告してきている。いわゆる「公開作業グループ」は「具体的で行動指向の勧告」を採択していると国連当局は述べている。

他方で、地域機関も取り組みを進めている。国家が自発的で法的拘束力のない規範を採択することから、地域での信頼醸成措置の発展、ICTリスク軽減のための地域的ツールの採択などがここには含まれる。

国際安全保障を守る第一義的な責任主体は国家である。しかし、ICTは社会の統合的な部分であり、そこへの参加者もまた、安全なサイバースペースを守るための役割を担っていると国連人権高等弁務官は語った。

「民間部門や市民社会、学界からの視点が、国際社会が求めているサイバーセキュリティへの集団的な解決策に独自かつ重要な要素を与えることになるだろう。」

中満氏は、平和的なICT環境を促進するにあたって国連は「国家やその他の主体を支援する用意がある」と述べ、国連事務総長の「デジタル協力に関するハイレベルパネル」とその後の円卓会議について指摘した。

2020年6月11日、グテーレス事務総長は、あらゆる人々が接続でき、尊重され、保護されるデジタル社会を構築するために国際社会が取るべき行動について勧告した。国連事務総長の「デジタル協力へのロードマップ」は、インターネットや人工知能(AI)、その他のデジタル技術に関連した幅広い問題に対処する、多くの当事者による長年に亘るグローバルな取り組みの帰結である。

行動指向のこのロードマップは、次のような領域において、グローバルなデジタル協力を促進する多様な利害関係者による具体的な行動を勧告している。

・2030年までの普遍的な接続の確立:誰もがインターネットへの安全かつ安価な接続を可能とすること。

・より公正な世界を導くデジタル公共財の促進:インターネットのオープンソース化を促進し、公的な起源を取り込み支持すること。

・社会的弱者も含めてすべての人々にデジタル技術を提供する:開発を促進するために、現在はサービスを受けていない集団もデジタルツールに平等にアクセスする必要がある。

・デジタル能力開発の強化:スキル開発と訓練が世界中で必要。

・デジタル時代における人権の擁護:人権がオンライン・オフライン両方で適用されること。

・信頼でき、人権を基盤とし、安全で、持続可能で、平和を促進するような人工知能に関してグローバルレベルでの協力を支援する。

・デジタルの信頼と安全を促進:持続可能な開発目標を前進させるグローバルな対話を呼びかけ。

・デジタル協力へのより効果的な仕組みの構築:デジタルガバナンスを優先し、国連のアプローチに焦点を当てる。

国連事務総長の「ロードマップ」は、「デジタル協力に関するハイレベルパネル」の勧告と、加盟国・民間部門・市民社会・技術者・その他の利害関係者からの意見を基にしている。

中満氏は、国連事務総長の「軍縮アジェンダ」もまた、「既存の法的・人道的・倫理的規範や、不拡散、平和と安全」に対する挑戦となっている新世代の技術に対処するものであると指摘した。

軍縮アジェンダは、平和目的の技術革新に関して科学者や技術者、産業界と協力し、「サイバースペースにおける責任ある行動に関する新たな規範やルール、原則に関するアカウンタビリティと遵守の文化を生み出す」ために加盟国と関与することを呼びかけた。

デジタル空間が日常生活のほとんどの側面を支えるようになっているなか、ICTがサイバー攻撃された場合の被害の大きさ広がりは重大な懸念だ、と中満氏は語った。

中満氏は、「意図しない武力対応や事態のエスカレーションなど重大な帰結」を引き起こしかねないサイバー攻撃の責任国を追及する動きや、国々が敵対国の技術利用に対して「攻撃的な態勢」を採用する動き、さらには、非国家主体や犯罪集団が「責任を取ることから高度に逃れた状態で社会を不安定化する能力」を開発する動きに対して、強い警告を発した。(07.19.2021) INPS Japan/ IDN-InDepth News