Reporting the underreported threat of nuclear weapens and efforts by those striving for a nuclear free world.

A project of The Non-Profit International Press Syndicate Group with IDN as flagship agency in partnership with Soka Gakkai International in consultative
status 
with ECOSOC.

 

Japanese and American Catholics Take on the Bomb

|視点|日本と米国のカトリック教会が協力して核廃絶めざす(ドリュー・クリスチャンセンジョージタウン大学名誉教授)

Photo: Atomic Bombing in Nagasaki and the Urakami Cathedral. Credit: Google Arts&Culture【ワシントンDC=ドリュー・クリスチャンセン】

長崎は日本のカトリック信仰の歴史において中心的な位置を占めている。イエズス会の伝道師フランシスコ・ザビエルが初めて日本を訪れた16世紀に始まって、長崎はキリスト教を日本に伝播させる上での中心地であった。

徳川幕府がキリスト教を禁止・迫害し始めた17世紀以来、長崎の「隠れキリシタン」は密かに信仰を守り、子を洗礼してカトリックの教義を与え、祈りを後世に伝えてきた。

19世紀後半にヨーロッパ人との接触が始まってキリスト教が合法化されると、信徒たちは隠れキリシタンたちが住んでいた地区に浦上天主堂を建設した。

1945年8月9日に長崎に原爆が投下された際、爆心地からわずか500メートルのところにあった浦上天主堂はほぼ原形を留めぬまでに破壊された。その日多数の信徒がミサに集っていたが、原爆による熱線や、崩れてきた瓦礫の下敷きとなり全員が死亡した。

爆撃された天主堂の遺物の一つが聖マリア像である。変形し、内部が空洞化し、眼が落ちくぼんで黒くなった像は、核のホロコーストの強烈な記憶を現在に伝えている。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界的に拡大する中、日本と米国のカトリック信徒らが被爆75周年を祈念する取り組みに加わった。8月3日、被爆者であるヨセフ高見三明大司教(現長崎大司教区大司教、日本カトリック司教協議会議長)は、イリノイ州ロックフォードの司教で「国際正義と平和に関する米司教協議会」の議長であるデイビッド・マロイ司教とともに発言をし、祈りを捧げた。

フランシスコ教皇は、昨年11月に長崎を訪問した際、「核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で、数え切れないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です」と述べて、核兵器廃絶を訴えた。

その2年前、ローマ教皇庁は国連の核兵器禁止条約に署名し、教皇がそれを批准した。条約が署名開放された会議においてフランシスコ教皇は、核兵器の保有と「使用の威嚇」を非難し、防衛政策としての核抑止の合法性を、事実上否定した。

高見大司教は「カトリック・ニュース・サービス」とのインタビューで「『声を上げ、大きくする必要があります』と訴えたフランシス教皇の呼びかけに応える必要があります。為政者たちをはじめ世界中のすべての人々に核兵器の存在は問題だと理解してもらわなくてはなりません。」と語った。

高見大司教はまた、「信仰者、とくにカトリック信者に向けて、まずキリストの教える平和について正しく知って理解してもらい、暴力のない世界は可能だということを分かってもらわなくてはならない。」と語った。

ロサンゼルスの大司教で米国司教協議会の議長であるホセ・ゴメス大司教は、来たる原爆忌を前に、「私の兄弟たる司教らと私は、奪われた無垢な命と、この悲劇的な攻撃が健康と環境にもたらした影響に苦しみ続けている世代のために、日本の方々と共に祈りたい」と綴った。

ゴメス大司教もまた、米国の司教らを代表して、フランシスコ教皇の核兵器廃絶の訴えに加わるよう呼びかけ、「人類と地球を脅かすこの大量破壊兵器を廃絶する取り組みにおいてたゆまぬ努力を続けるよう各国及び世界の指導者に求める」と述べた。

高見大司教とマロイ司教の8月3日の交流は、核廃絶に関するカトリック教会の教えを、カトリック信者と一般市民の双方に広めることを目指したものだ。同時に、ジョージタウン大学出版は、フランシスコ教皇が核廃絶の訴えを打ち出したシンポジウムでなされた証言をまとめた書籍『核兵器なき世界:バチカン軍縮会議』を出版した。

加えて、「カトリック平和構築ネットワーク」は、8月3日からの1週間で日米学生による太平洋横断対話を支援し、10月には、カトリック大学・ノートルダム大学・ジョージタウン大学の学生や大学関係者らと高見大司教の対話を支援する。

10月3日のオンライン対話は「核軍縮に関するカトリックの関与再活性化プロジェクト」によるものだ。同プロジェクトは、ジョージタウン大学バークレーセンター、ノートルダム大学クロック国際平和研究センター、米国カトリック大学政策・カトリック研究所が、ノースウェスタン大学の宮崎広和教授と協力して行うものである。

他に、パックス・クリスティ・インターナショナルや、国際カトリック大学連盟も共催者に名を連ねている。(07.14.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News

※著者のドリュー・クリスチャンセンは、ジョージタウン大学名誉教授(倫理・人間開発)で、バークリー宗教・平和・世界問題センター上級研究員。キャロル・サージェントとの共著に『核兵器なき世界:バチカン軍縮会議』(ジョージタウン大学出版、2020年)がある。