Striving to Build a Broader Support for the Nuclear Ban Treaty

核兵器禁止条約への広範な支持を構築する努力

【ベルリン/東京IDN=ラメシュ・ジャウラ】

Photo: Dr. Daisaku Ikeda. Credit: Seikyo Shimbun.国際社会が核兵器のない世界に向けて道を切り開こうとする中、2020年核不拡散条約(NPT)運用検討会議第2回準備委員会会合(4月)と核軍縮に関する国連ハイレベル会合(5月)が今後の焦点となる。

核兵器禁止条約が2017年7月に採択されて以来、「これらは、核保有国や核依存国も交えての初の討議の場となるものです。」と著名な仏教哲学者である池田大作氏は述べている。池田氏は、世界192カ国・地域に1200万人の会員を擁する創価学会インタナショナルの創立者・会長である。

2017年の核兵器禁止条約交渉に参加しなかった9つの核保有国には、安全保障理事会の5つの常任理事国(米国・ロシア・英国・フランス・中国)と、いわゆる「核クラブ」の4つの非公式メンバーであるインド・パキスタン・北朝鮮・イスラエルが含まれる。

その他交渉に参加しなかった国としては、とりわけ、安全保障同盟の一環として米国の核の傘を享受している日本や韓国、オーストラリア、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が挙げられる。唯一の例外がオランダだが、核兵器禁止条約の採択に際して反対票を投じている。

しかし、「光明が見えなかった難題に、今回の条約が突破口を開きました。」「しかも、被爆者をはじめとする市民社会の力強い後押しで実現をみたのです。」と池田会長は、2018年の平和提言「人権の世紀へ 民衆の大河」で述べている。

核兵器を禁止する必要性について意識を高める上で市民社会が果たした貢献が認められ、2017年のノーベル平和賞は核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に授与された。ICANは条約に基づく核兵器禁止の実現に向けて努力を続けているNGOの連合体である。

2018年の平和提言は、1983年以来毎年発表されてきた平和提言の第36回目にあたる。とりわけ、統合的な人権を中心としたアプローチが、核の脅威を含むグローバルな問題を解決する鍵であることが今年のメインテーマになっていることから、この提言の重要性は際立っている。

池田会長は、このことを視野に、今年が世界人権宣言採択70周年であることを踏まえて、一人一人の生命と尊厳(つまり、あらゆる人間が本来的に貴重でかけがえのないものであるという事実)を中心に据える必要性を強調している。

同時に、池田会長は核兵器禁止条約の採択を歓迎し、「核兵器のない世界に向けた建設的な議論が行われるよう」強く呼びかけている。

池田会長は、4月23日から5月4日までジュネーブで開かれるNPT運用検討会議第2回準備委員会会合において、「2020年のNPT運用検討会議に向けて各国が果たすことのできる核軍縮努力について方針を述べる」ことが望ましい、としている。

池田会長はさらに、核兵器禁止条約の7項目にわたる禁止内容について、実施が今後検討できる項目を表明することが望ましい、としている。例えば、「移譲の禁止」や「新たな核保有につながる援助の禁止」は、NPTとの関連で核保有国の間でも同意できるはずだ、と主張している。

池田会長は、「国際法は、条約のような”ハード・ロー”と、国連総会の決議や国際的な宣言などの”ソフト・ロー”が積み重ねられ、補完し合う中で実効性を高めてきました。」と論じている。

また軍縮分野でも、包括的核実験禁止条約(CTBT)において、条約に批准していない場合に個別に取り決めを設けて、国際監視制度(IMS)に協力する道が開かれてきた事例がある、と池田会長は述べている。

池田会長は、核兵器禁止条約においても、署名や批准の拡大を図る努力に加えて、宣言や声明という形を通じて、各国が実施できる項目からコミットメント(約束)を積み上げていくべきだ、と論じている。

池田会長はさらに、「何より核兵器禁止条約は、NPTと無縁なところから生まれたのではありません。条約採択の勢いを加速させた核兵器の非人道性に対する認識は、2010年のNPT運用検討会議で核保有国や核依存国を含む締約国の総意として示されていたものに他ならず、核兵器禁止条約は、NPT第6条が定めた核軍縮義務を具体化し、その誠実な履行を図っていく意義も有しているからです。」と述べている。

核軍縮の停滞に加え、核兵器の近代化が進み、拡散防止の面でも深刻な課題を抱える今、「NPTの基盤強化」と「核兵器禁止条約による規範の明確化」の相乗効果を図るべきだと池田会長は述べている。

池田会長は、2020年NPT運用検討会議に向けて日本が核軍縮の機運を高める旗振り役になることを望んでいる。「日本は、5月のハイレベル会合を機に核依存国の先頭に立つ形で、核兵器禁止条約への参加を検討する意思表明を行うことを強く望むものです。」「日本は、被爆国として道義的責任から目を背けることは決してできないはず」と訴えている。

SGI会長は、禁止条約の基底には、どの国も核攻撃の対象にしてはならず、どの国も核攻撃に踏み切らせてはならないとの、広島と長崎の被爆者の切なる思いが脈打っている、と指摘している。

これに関連して池田会長は、核兵器禁止条約の採択にあたって「思い出したくもない過去を語り続ける努力は、間違いでも無駄でもなかった」との感慨を述べた広島の被爆者サーロー節子さんに触れている。

池田会長は、2020年NPT運用検討会議第1回準備委員会(ウィーン、2017年5月2~12日)で日本政府が「非人道性への認識は、核兵器のない世界に向けてのすべてのアプローチを下支えするもの」と強調したことに改めて着目し、したがって、「日本の足場は、『同じ苦しみを誰にも味わわせてはならない』との被爆者の想いに置かねばならない。」と指摘している。

池田会長は、核兵器禁止条約の意義は一切の例外なく核兵器を禁止したことにあるとして、市民社会の連帯をさらに広げていくことを訴えている。

条約では、2年ごとの締約国会合や6年ごとに行う検討会合に、条約に加わっていない国などと併せて、NGOにもオブザーバー参加を招請するよう規定されている。

池田会長の見解では、これは、世界のヒバクシャをはじめ、条約の採択に果たした市民社会の役割の大きさを踏まえたものだ。同時に、核兵器の禁止と廃絶は、すべての国々と国際機関と市民社会の参画が欠かせない“全地球的な共同作業”であることを示した証左である。

また、条約の前文では、平和・軍縮教育の重要性が強調されている。この点は、SGIが、国連での交渉会議に提出した作業文書や交渉会議における市民社会の意見表明のなかで繰り返し訴えてきたことだ。

SGI会長は、「核兵器の使用が引き起こす壊滅的な人道上の結末に関する知識が、世代から世代へと継承され、維持されるためには、平和・軍縮教育が不可欠であり、それが禁止条約の積極的な履行を各国に促す土台ともなると考えるからです。」と述べている。

SGIはそこで、核兵器禁止条約の早期発効と普遍化の促進を目指し、「核兵器廃絶への民衆行動の10年」の第2期を今年初旬から開始した。これは、池田会長が2006年8月に発表した国連提言のなかで呼び掛けた、「核兵器廃絶への民衆行動の10年」の活動を踏まえたものだ。

「核兵器廃絶への民衆行動の10年」は、戸田城聖第2代会長の「原水爆禁止宣言」50周年を機に2007年9月に開始した。

池田会長は、核兵器禁止条約の普遍性を高めるには、各国の条約参加の拡大を市民社会が後押しするとともに、グローバルな規模での市民社会の支持の広がりを目に見える形で示し続けることが、大きな意義を持つとの見解だ。

SGI会長は、ICANや平和首長会議など多くの団体と協力する形で、核兵器禁止条約を支持する各国の自治体の所在地を国連のシンボルカラーである青の点で示した世界地図を制作したり、さまざまなNGOから寄せられた条約支持の声を集めて幅広く紹介し、国連や軍縮関連の会議の場で発信していくことを提案している。

同様に、青年や女性、科学界や宗教界など、あらゆる角度から連帯の裾野を広げ、各国の条約参加を呼び掛けるとともに、条約の発効後は、非締約国に締約国会合へのオブザーバー参加を、市民社会として働きかけることを提案している。

池田会長は、ICANや平和首長会議などが築いてきた世界的なネットワークが、核兵器廃絶を求めるグローバルな民意を示していると確信している。

「その民意の重みが、やがては核保有国と核依存国の政策転換を促し、核時代に終止符を打つことにつながっていくと、私は確信してやみません。」とSGI会長は述べている。(2.28.2018) INPS Japan/ IDN-InDepth News 

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