Nuclear Abolition News and Analysis

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Nuclear Weapons Are Illegal Under International Law

核兵器は国際法の下で非合法となる – 国連にとって画期的な勝利(ソマール・ウィジャヤダサ国際弁護士)

Photo: Trump's new apparently low-yield nuclear warhead entered production in 2019. Credit: Ronald Gutridge/U.S. Navy.【ニューヨークIDN=ソマール・ウィジャヤダサ】

核兵器禁止(核禁)条約は10月24日に批准した国が発効要件となる50カ国に達したため、90日後の2021年1月22日に発効する。これにより、核兵器(最も危険な大量破壊兵器)は、国際法の下で最終的に非合法となる。

核禁条約の発効は、75年に亘って核兵器の全面廃絶を最優先の軍縮課題としてきた国連にとって画期的な勝利である。核禁条約の発効が、1945年8月の悪名高い原爆使用と、同年の国連創設から75周年目と重なったことは、注目に値すべきことだ。

核禁条約の重要性を十分理解するには、国連が創設以来、核兵器を禁止するという崇高な目標を達成するために取り組んできた歴史的な歩みを振り返る必要がある。

 

歴史的な失望と業績

国連は、2つの世界大戦で無数の命が失われ、国際社会が米国による広島と長崎への原爆使用がもたらした惨状(広島で129,000人、長崎で226,000人が死亡)を目の当たりにした後、1945年に創立された。

国連が「戦争の惨害から将来の世代を救う」という高い目標を掲げ、紛争を平和的に解決するための無数の仕組みを国連憲章に明記しているにもかかわらず、多くの国々が数百に上る戦争を仕掛け、数百万人が死亡、数千万人が家を追われ、無数の人々が怪我をしたり家族を失っている。

2014年、デイビッド・スワンソン氏は、学術誌アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルスへの寄稿文の中で、「第二次世界大戦が終結して以来、世界の153箇所で248件の武力紛争が発生してきた。米国は1945年から2001年の間に201の軍事作戦を海外で展開した。またその後もアフガニスタンやイラク等各地で軍事作戦を遂行してきた。」と記した。

皆さんご存知の通り、極東における共産主義封じ込め政策は、ベトナム、北朝鮮、ラオスに荒廃をもたらし、45年に亘った冷戦は東ヨーロッパ諸国の軍事同盟(ワルシャワ条約機構)の終焉とソ連の解体につながった。また、ブッシュドクトリンとレジームチェンジ(体制転換)政策により中東では数百万人の命が失われた。

中東で起こったアラブの春では、数千人が死亡し、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンでは体制転換(リビア、イエメンでは内戦)へとつながった。シリア内戦ではこれまでに22万人以上が死亡し、中東地域全体ではこれらの内戦で5000万人以上の人々が家を追われた。

平和活動家のトム・マイヤー氏は、「米国の軍事介入は中東地域にとって災難以外の何ものでもありません。米軍はイラクを破壊し、リビアを不安定にし、エジプトでは独裁者を育み、シリア内戦を加速させ、イエメンを破壊しました。また、バーレーンでは民主化運動の鎮圧を手助けしたのです。」と語った。

こうして引き起こされた衝突のなかには1962年のキューバミサイル危機のように世界を核戦争の瀬戸際まで追い込んだものもあった。

ダグ・ハマーショルド国連事務総長(1953~61)は、国連は人類を天国に連れて行くためではなく、地獄から救うために作られた。」と語った。

 

実際に国連は世界を地獄から救った

国連は、時には悲劇的な後退に見舞われながらも、核兵器を廃絶するという究極の目的を決してあきらめなかった。それは国連が核兵器を地上で最も非人道的で危険な兵器であり、都市全体を壊滅させ、潜在的に数百万人の命を奪い、自然環境を破壊し、長期にわたる壊滅的な影響で未来世代の生命をも脅かす存在と認識してきたからだ。

国連総会は1946年1月24日に採択した第一号決議で、「全ての核兵器および大量破壊兵器の廃絶」を目標として掲げた。

1945年の時点で、核兵器を所有し実際に使用(広島と長崎に原爆を投下)したのは米国が世界で唯一の国であった。

以来、ロシア(旧ソ連時代の1949年)、英国(1952年)、フランス(1960年)、中国(1964年)、インド(1974年)、パキスタン(1998年)、北朝鮮(2006年)、さらにイスラエル(取得年を非公開)が核兵器を取得している。

今日、世界には地球を何度も破壊できる約13400発の核兵器があり、その92%を米国とロシアの2カ国が保有している。

国連は、長年の間に、核兵器を含む大量破壊兵器の禁止を目指して、核不拡散条約(1968年)、生物兵器禁止条約(1972年)、化学兵器禁止条約(1993年)、包括的核実験禁止条約(1996年)、武器貿易条約(2014年)といった条約やメカニズムを採択してきた。

現在、国連加盟国の60%にあたる115カ国を網羅する非核兵器地帯が、ラテンアメリカ、南太平洋、東南アジア、アフリカ、中央アジアに構築されている。

これら非核兵器地帯の創設は重要な成果であり、2017年に国連が「核兵器の全面廃絶のために核兵器を禁止する」核禁条約を採択する道筋を切り開くことにつながった。

核禁条約は、核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道的被害を強調しており、締約国による核兵器の開発、実験、使用または使用の威嚇、生産、保有、取得、移転、領域内などへの配置を禁止している。

 

称賛と欺瞞

9月には、ニューヨークタイムズ紙が、「北大西洋条約機構(NATO)の加盟国のうち20か国の首相、外相、国防相経験者など56人が、(核禁条約に参加していない)自国の現役の政治指導者に公開書簡を送り、核禁条約への参加を呼びかけた。」と報じた。

同紙によると、この公開書簡には、カナダ、日本、イタリア、ポーランドの元首相、アルバニア、ポーランド、スロヴェニアの元大統領、24人の元外務大臣、10数人の元国防大臣、ハヴィエル・ソラナ及びウィリー・クラース元NATO事務総長、そして潘基文前国連事務総長等が署名している。

署名者の中に、米国の「核の傘」に保護を求める核依存国(日本、韓国、オーストラリア)やドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコのように自国領内の6拠点に米国の核兵器(約180発)を共有している国々が含まれているのは特筆すべきことだ。

米国のCBS放送によると、核禁条約の批准が順調に進む中、米国は批准国に送った書簡のなかで、「(NPTで核保有を認められた)5大国は、NATO同盟諸国とともに核禁条約の『潜在的影響』に一致して反対している」と表明し、批准書を撤回するよう働きかけたという。

同書簡には、「核禁条約を批准する貴国の国家主権は尊重するが、それは戦略的な誤りであり、批准を取り下げるべきだ。」と強調されていた。

この行動は、核兵器の廃絶を目指して75年間に亘って取り組んできた国連を侮辱するのみならず、核のホロコーストの脅威から解放されて平和に暮らすことを望む世界の大半の人々の意思を、超大国が甚だしく無礼かつ好戦的に阻害しようとした試みに他ならない。

核兵器保有国は核禁条約に署名しないかもしれないが、この条約が発効すれば、今は違法となっている他の大量破壊兵器(生物・化学兵器)と同様に、核兵器が国際法の下で違法となるため、あらゆる国に核禁条約を順守する道徳的責務が生じるということを強調しておきたい。

かつて、核兵器保有国に中には、「私の核ボタンの方があなたのものより、はるかに大きく強力だ。」という横柄な発言をし、核兵器の使用をちらつかせて他国を威嚇し従わせようとした事例もあるが、核兵器が違法化されれば、このような虚栄心に満ちた時代は過去の歴史になるだろう。

ウラジーミル・プーチン大統領は、「米国が率いる西側のパートナーは、現実的な政策を推進するにあたって、国際法よりも銃のルールに従って行動することを好むようだ。これらの国々は自らの排他性と例外主義を信じるようになり、世界の運命は自分たちが決めることができ、自分たちだけが常に正しいと考えている。」と語った。

米国が最近北朝鮮に対して「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を要求したように、ほぼ全ての国々が今日、核兵器保有国に対して核兵器を廃絶することで国際法に従うよう懇願している。

核禁条約のもとで核兵器の廃絶が不可避となった今日、世界のあらゆる指導者は国連と協力して、全ての人々にとって平和と正義と安全保障と繁栄が保証される世界秩序を構築する必要がある。

かつてハリー・トルーマン大統領は、「偉大な国々の責務は 世界の民衆を支配するのではなく、民衆に尽くすことだ。」と述べている。(11.07.2020) INPS Japan/ IDN-InDepth News

 

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